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森林性サボテンのいろいろ話


属間交配をおさらいしよう


クジャクサボテンという交配品種群の歴史は、少なくとも18世紀まで遡ることができます。

名前は Epiphyllum hybrid とついているものの、現在に至るまでにそのほとんどがDisocactus属へと吸収されており、実際は Disocactus hybrid というのがより実態に近い呼び方と思えますが、他にも交配された属があります。

Selenicereus属とDisocactus属の交配

Aporocactus属、Aporophyllum属と呼ばれた品種群は Disocactus flagelliformis と他のDisocactus属及びそのhybridとの交配群です。源流に Disocactus speciosus との交配種とされる、1830年ごろに作出された Heliaporus smithiiがあります。Aporocactus × mallisonii は、同じ品種です。と、ここまでは一応現代では同属交配ですが、これにSelenicereus属 との交配品種群が合流します。

Selenicereus属は、Disocactus flagelliformis とも Disocactus speciosus とも交配品種が1800年代には既に作出されており、実は種としてお互いが割りと近いのではないかと思います。

そして Disocactus speciosus は他のDisocactus属とも交配が可能であり、この種を基礎として、他のDisocactus属の種との交配品種が作出されていき、クジャクサボテンという品種群が形成されたのかなと思いますが、現代では、ここに、Disocactus属やSelenicereus属とは違う属が交配されていきます。一例をあげると、クジャクサボテンとLepismium属との交配品種が2012年に発表されています。その他にも、日本の園芸家によって、Pseudorhipsalis属(現在はDisocactus属へ吸収) と、Schlumbergera属との交配品種が作出されています。

また、Selenicereus属には、Echinopsis eyriesii (短毛丸)との交配品種が存在しており、 Echinopsis 属はクジャクサボテンとの交配が可能とされています。

ちなみに、形はクジャクサボテンでは無いのですが、 Disocactus flagelliformis を種子親とし、Echinopsis 属 を花粉親とする交配種も存在しています。

ところで、Epiphyllum属との交配品種は無いのか?と思いますが、クジャクサボテンとEpiphyllum hookeri との交配品種は存在しているようです。しかし手元にはないので、真偽のほどは判りません(*´Д`)

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